城事務所暑気払いセミナー (2008年7月28日)
◆世界は動く 変わる常識と変わらざる原則◆
◆マン・インベスト証券 森居誠司会長◆
米国発のザブライムローン問題、高騰続ける原油・穀物等の商品市況など、相次ぐ不安要因を背景に世界の株式市場は一段と混迷を深めている。今後の株式市場、そして世界経済はどうなるのか。世界最大のヘッジファンドであるマン・インベストメントをグループ企業に持つマン・インベストメント証券の森居誠会長が「世界は動く 変わる常識と変わらざる原則―サブプライム・為替・世界経済 そして日本の行方は…」と題して特別講演会(関西学院大学 大阪梅田キャンパス・城事務所主催)を開催しました。

サブプライム問題については、第二幕の後半、歌舞伎で例えるなら「暗転」にさしかかった。主犯は、借りた人「借りてはならないのに借りた人」と貸した人「貸してはいけないのに貸した人」だが、後者に関しては、ファニーメイやフレディマックなど政府系金融機関の後始末にまで及び、十数年前の日本と同じ状況になっている。今後は、住宅の債券を販売した証券会社や格付け会社、保証会社などいわゆる「共犯」が主犯として後始末が始まりそうだが、処理の時間には時間を要しそうで、新大統領・政権下で救済策が発動されるのではないか。今後、サブプライム問題は欧州で本格的に波及しそうがが、この様な状況でユーロが上昇しているのには疑問を感じる。原油価格と同様に、下落前の上昇とも判断できる。
欧米の金融機関の本決算が一二月であることから、9月から10月頃には、再度のヤマ場が到来しそうだが、そこで一段と売られる場面があれば、数十年来の安値圏にあるシティ、UBS、バークレイズなど世界を代表する金融機関をパッケージで逆バリするのも面白いだろう。政治的には、イラク撤退を表明しているオバマが勝利すれば、軍事費を経済対策にシフトする期待だけでも市場にはプラス要因として評価、何れにしても新政権になれば様々な対策が実行し易くなる。
原油高騰についてはエタノール原料である砂糖黍などの高騰から食糧問題へと発展、社会問題(油地獄)になってしまった。過去、あらゆる事柄は社会問題となって終焉を迎えており、原油も1バレル100ドル水準が落ち着き処か。今後は食糧と命の源である水への関心が一段と高まりそうだ。食糧に関してはモンサントに代表される種子ビジネスの企業、水に関しては、オイルダラーも一番欲しいものであり、淡水化などで世界的技術を有する日本企業も注目されよう。
いかなる金融技術を駆使しても簡単に儲からないことは今回のサブプライム問題が象徴している。「Back To The Basic」―金融の原点に帰らなければならない。現状下でも虎視眈々とチャンスを狙っている運用業者は数多く存在する。悪い情勢でも儲かる道筋がでてくる。
(株式市場新聞・2008年8月5日付け3面で掲載されました。)