ゆく年くる年〜世界の金融・経済の動きを読む 年末納会セミナー マン・インベストメント会長 森居誠司氏(12月21日) マン・インベストメント証券 森居誠司会長を迎えて年末セミナーが開催されました。
この一年を振り返ると株式指数(11月30日時点)に関しては日経225は年初来からわずか1・01%の上昇だったが、MSCIアジア指数(日本を除く)+24・95%、MSCI新興国株式+23・72%、ナスダック+10・27%、S&P500指数+12・20%、MSCI世界株式+10・68%、通貨(対米ドル)に関しても円+1・65%対してユーロ11・76%、英ポンド+14・11%と日本の一人負けの構図となった。
先進国で大きな存在感を増したのが欧州経済圏活性化に伴うユーロ通貨の台頭だ。ユーロ圏は1999年に銀行間の決済通貨として、02年には紙幣・硬貨が導入、その後は米国とアラブ諸国との軋轢、資源ビジネスで発言力が増したロシアによるユーロへの肩入れなど、いわゆるアンチ米資金の受け皿となった格好だ。お金が入ってくれば若い生産人口が流入、それによって経済が活性化しまた資金が流入するという好循環が続いているが、この状況は2〜3年継続するのではないか。
欧州経済圏と共に存在感が増しているのが中国、イント、ベトナムなどの新興国だ。資産大国である日本は、これら海外諸国の成長を買う動きが強まっているが、これについては19世紀の英国をから学ぶべきものが多いのではないか。当時の英国の運用会社「フォーリン・アンド・コロニアル」は世界初の投資信託を設定、新興国だった米国や高リスクの後進国だった日本の株式にも1907年から資金を投じた。その頃の英国は産業革命後の高度成長が終焉、米国の追い上げなどで国力に陰りが見え始めた時期だが、これは、90年代のバブル崩壊が終わり中国の台頭や人口減少で悩む日本と類似点が多い。現在、英国では追加型投信における資産残高の4割を米国やアジア、中南米に分散投資されているが、日本についても同様の地殻変動が起こるかも知れない。
この18世紀前半の英国でのバブル崩壊は南海バブルと呼ばれているが、これ以外でもチューリップバブル(オランダ・17世紀前半)ニューヨーク大恐慌(米国・1929年〜)、東京デフレスパイラル(日本・1990年〜)、アジアショック(東南アジア・1997年〜)と過去の歴史ではバブル崩壊が繰り返されてきており今後も世界のどこかでバブルが発生することになる。このような状況で誕生したヘッジファンドは割高な株式をカラ売り、割安な株式を買うことで相場の上昇・下落に大きく左右されることなくリターンを追及する投資手法である。これまで富裕層が中心であったが、大学基金、年金、機関投資家からの投資が増加、特に少子化や競争激化で財政が悪化する大学の運用は増加、2005年の全世界の運用残高130兆円は2010年には250兆円にも増加すると予測されており、金融業界のなかで最も大きな分野のひとつになっている。ヘッジファンドはあぶない・あやしい・あっけない〜のトリプルAから、安心・安全・有難い〜のトリプルAとして認知されていくだろう。